たった一人の君へ
01 でも、私は本当に二人とも大好きだから。
02 これは夢なんだと、自分に言い聞かせて。
03 それでも、私の声が届くのなら。
04 時が、思考が、止まった。
05 たとえそれが、間違いだと知ってても。
06 いつだって他人の気持ちばかりで。
07 そんな悲しい笑顔、望んでない。
08 ただ、助けたかった。
09 お願い、その先は言わないで。
10 何でも、何だってできると思った。
11 ねえどうか、ずっと笑っていて。
12 私の声を彼に伝えたい。
13 怖くて、怖くて、その場から逃げ出したかった。
14 言葉にならなかった声は、誰の名を呼んだ?
15 俺を呼ぶ彼女の声が、愛しかった。
16 どうか、嘘だと言ってほしい。
17 その表情は、その声は、俺の知っているもののはずなのに。
18 随分と前から見ていない気がする。
19 それでも、今俺の前にいるのは。
20 私たちは一人じゃないから。
あとがき
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