バンッ・・・



勢いよく開けた扉の先には、見たこともない煌びやかな世界が広がっていました。
豪華な食事、美しい音楽、たくさんの絵画や宝石に囲まれた部屋。そこで楽しそうに談笑する人々。
シンデレラたちは目を輝かせながら、その光景に魅入りました。





「誰だ、あの子たちは・・・!」

「なんて美しい・・・」





しかし、それ以上に目を惹いたのが二人の美しさでした。
元々の美しさ、可愛らしさに加え、豪華な服やアクセサリーに身を包まれたことで
より一層の魅力が引き出されています。





「王子ゲットのライバルが現れたわ・・・!」

「ど、どうしましょう、お母様・・・!」

「まあ、元々負けてるからいいんじゃないですかね〜?」

「「お母様ァ?!」」





いつものボロボロな服ではない二人に、継母も義姉たちも正体には気づきません。





「ねえ、サンドリヨン・・・!どうしよう、私緊張してきちゃった・・・!」





そんな、好奇の目には気づかず、緊張のあまりシンデレラは自分のことで精一杯です。
後ろにいるサンドリヨンに助けを求めます。しかし、





「・・・サンドリヨン・・・?」





どうしたことでしょう。先ほどまですぐ傍にいたサンドリヨンが突然いなくなったではありませんか。
急いで周りを見渡しましたが、その影すら見えません。





『あれ、本当にどこ行ったんだ、椎名。』

『この辺は台本に書いてないんだよなー。椎名の台詞がないのって何か意味があんのかな?』

『ここまで出張りすぎだから、一時退却させたんじゃね?
もしくはサンドリヨンが可愛すぎてシンデレラが王子に見初められないから。

『お前、それはに言うなよ?!さすがのでも傷つくからね!!』





「これからどうしよう・・・。こんなところで一人なんて心細いよ・・・!」







サンドリヨンを探す

雰囲気に慣れないのでテラスに出てみる

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