「そう・・・そうよ、困ったときのねずみさん!!戻って相談してこよう!」
サンドリヨンがいなくなり、心細くなったシンデレラは、
ここまで連れてきてくれたねずみさんのところに戻ることにしました。
『ねずみに敬称がつくのが当たり前になったな・・・』
『普通なら絶対魔法使いの方を頼りにするよな。』
「・・・あ、でも一度外に出ちゃったら、さっきみたいに招待状なしで入るのは難しいかも・・・。
そもそも何事もなく入れたのは、サンドリヨンのフェロモンのおかげだし・・・。」
『椎名がいたらまた怒っていたのではないか?』
『だから、いない今を狙ったんだろ。』
「よし、テレパシー!ねずみさんへ届け!」
っ・・・おまっ・・・テレパシーって・・・!
ゲホッ、ゴホッ・・・
ぶ、舞踏会場へ入れなくなってしまっては、サンドリヨンを一人取り残してしまうことになります。
まま、迷った末にシンデレラはねずみさんへテレパシーを送ることにしました。
そうですよ、だって喋れるねずみだもん!頼れるねずみさんだもん!それくらい、出来るよなきっと!
『若菜がおかしくなってきたぞ。』
『大丈夫だろ、若菜だから。』
「あっ・・・光が・・・!」
おおお!な、なんと、シンデレラのテレパシーが通じたのか、
空に光が差し、そこにはシンデレラが望んでいたねずみさんの姿が・・・あれ?
「・・・シ・・・シンデレラ。」
「・・・あれ?」
「・・・もう、こっちに・・・振ってくるなっ・・・!」
「ねずみちゃん・・・」
「い、伊賀・・・じゃなかった、もう一匹のねずみじゃなくて悪かったな!」
奇跡が起こり、光の中に浮かんでいたのは、二匹のうちの一匹のねずみさんでした。
「そっか・・・。ごめんね上は・・・ねずみちゃん!
アンタがそんなに緊張しいで、噛む子だったなんて思わなくて・・・無理させたねっ・・・!」
何か言いたげなねずみちゃんは、結局何も言えず、光は消えていきました。
シンデレラはねずみちゃんの切なげな表情に、まずは自分が動いてみようと考えを改めました。
「さて、どうしようかな・・・」
会場の中からサンドリヨンを探し回る
落ち着くためにテラスに出る
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