汝は人狼なりや?  



「人狼ゲーム?なにそれ?」

「いきなりだな若菜。今、俺らの中で流行ってるゲームだよ。」

「えー俺、聞いたことない。どんなゲーム?人生ゲームみたいなもん?」

「いや、全然違う。簡単に言えば、嘘つきを見つけるゲームかな。」

「嘘つき?」

「人数を集めて、村人チームと人狼チームで適当に振り分ける。
村人は誰が人狼かを推理して言い当て、人狼は自分の正体がばれないように嘘をついたり、存在感を消したりしながら、うまく村人に紛れ込む。
推理の間に人数はどんどん減っていって、最後まで生き残ってたチームの勝ち。かなりざっくりな説明だけど。」

「ほうほう。よくわからんが、英士知ってる?」

「知ってる。」

「ええ!?知ってんの!?英士が知ってんのに、俺は知らないの!?悔しい!」

「いや、やったことはないけど。知識として知ってる程度。でも結人が知らなくたっておかしくないんじゃない?
人狼ゲームってテレビゲームじゃなくて、テーブルゲームだった気がする。結人は範疇外でしょ。」

「へ?そうなの?」

「よく知ってるな、郭。そう、テーブルゲーム。最近はネットでも流行ってるみたいだけど。
頭の回転も速くなるし、考え方が柔らかくもなる。心理戦にも強くなるのにも役立ちそうかなと思って、遊びがてら試してみたんだ。」

「最初は訳のわかんねえゲームだと思ったけど、割と皆はまったよな。
俺ら頭使うゲームなんてほとんどしないし、ある意味新鮮だったのかも。」

「俺はネットでやってるぜー」

「鳴海。お前も知ってんの!?」

「まあな?この賢すぎる頭の使いどころを考えてたら、ちょうど良いゲームがあったんだよ。」

「もっと別のところで使えよ。だから脳筋って言われるんだよ。」

「ああ!?なんか言ったか椎名!?」

「俺も知ってるぜ!!」

「え、ちょ、藤代まで!?」

「ねーキャプテン?」

「渋沢も知ってんの!?なにこれ俺だけ知らないの!?すごい嫌!!」

「藤代、お前も俺も三上がやっているのを見てただけだろう。」

「うす!見てたけど何言ってんのかさっぱりでしたね!」

「まあ、藤代とか若菜には向かないんじゃない?頭使うゲームだし。心理戦とか弱そうだし。
正体隠さなきゃいけない場面でもすぐにばれそうだし。」

「椎名・・・!お前は俺たちを馬鹿にしてんのか!どんなゲームだか知らねえけど、簡単に俺らにゲームで勝てると思うなよ!?なあ藤代!」

「おう!俺は強いぜ!」

「お!じゃあ実際やってみっか?なんなら俺がゲームのセッティングしてやるよ。
さすがにゲームごと持ってくるのは出来ないし、ネットでいいよな?チャットと音声会話使って。」

「よくわからんけど任せた鳴海!」

「よっしゃ!キャプテン、頑張りましょーね!」

「え?俺も参加するのか?ゲームはともかくとして、パソコンはよくわからないんだが・・・。」

「大丈夫!音声会話できる環境作れば問題ないっす!三上先輩も巻き込むんで設定してもらいましょうよ!」

「三上を?アイツ参加してくれるのか?」

「問題ないっす!」

「そんじゃあここにいるメンバーとー、後は適当に声かけてみようぜ!」

「いいけどさ。最低限のルールくらいはちゃんと覚えてきてよね。初心者すぎてぐだぐだになるのも嫌だから。」

「お、おう!よろしく英士!一馬も連れてこような!」

「・・・いいけどね。結人には向かないゲームだと俺も思うよ。」

「なんだと?見てろよお前ら!……で、何から覚えればいいの?」

「……。」



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