汝は人狼なりや?
― 恋愛シリーズ番外編 ― 【8日目朝】 GM「今朝、上原が無残な姿で発見されました。話し合いをスタートしてください。」 (噛)吉田、椎名、桜庭、藤村、、上原 (吊)真田、水野、鳴海、若菜、井上、谷口 郭 「残ったのはこの3人か。」 天城「昨日話していた厄介な展開ってやつになったな。」 不破「そうだな。だが答えは明確。確率からいえば明らかにお前が黒だ。天城。」 天城「お前が黒であってほしくはないと、最初から思っていたんだがな。俺はそれほど口がうまくないから、お前のように理屈で攻められるのは苦手だ。」 不破「昨日谷口を吊って終わらなかった時点で、天城が狼だという結論は出た。だが、それだけでは勝てない。それを郭に納得させる材料が必要だ。」 天城「不破視点ならそうなるだろうな。それで?材料はあったか?」 不破「昨日上原が……正確にはが言っていただろう。お前は立ち位置が厄介だと。それはなぜか。すべての日程において、ある程度会話に参加し、状況を動かすような提案も少なからずしている。疑問に思ったことは臆さず口にする。そういう正直さが余計に信頼度を上げていたのだろう。何も起こらなければ、確かに疑われにくい位置にいた。それは間違いない。」 郭 「確かにね。天城は偽占いだったに占われていただけで完璧にグレーだ。それでも俺たちは天城に疑いを向けることはなかった。」 不破「だが、お前の発言量の大半は周りの質問に対し意見を言うことだった。自分からの提案は意外に少ない。そして、その提案も狐関連が多かった。」 天城「狐の存在を考えるのは当然のことだろう。所在がはっきりしなければ、知らないうちに村の負けになるんだ。」 不破「しかし、お前が狐の存在を何度も仄めかしていたのは事実だ。死体無しが出たことで、余計その考えに現実味が増した。狼だって狐が残っていては困るからな。村全体をまずは狼でなく、狐を吊るように仕向けようとしていた。その甲斐あって、共有を含めた村全体が狐には慎重になっていた。」 天城「残念だが、それは根拠にも材料にもならない。先ほど言ったように、狐を気にするのは村でも同じことだ。そのトリガーが俺だったから狼というのは、あまりに乱暴じゃないか?」 不破「他にもある。お前は積極的に発言していたし、自由に動いているようにも見えた。だからこそ自然だった。しかし、狼2人ともが潜伏していたのなら、1人は自由に動けて当然だ。だが、どこかのタイミングで1人目の狼が吊られた。それはおそらく4日目、鳴海だろう。」 郭 「なんでそう思うの?」 不破「鳴海をあのタイミングで吊ったのは、が強行したもので予想外だった。それに戸惑っていた奴も何人かいたな。天城、お前もその1人だった。」 天城「占いローラーをしていたし、一人の意見で突然別の奴が吊られることになったら驚きもするだろう。」 不破「お前はこれまでの行動から、なかなか勘の良い奴のように思えたが。なぜそこだけ気づくことができなかったんだ?」 天城「高評価をしてもらってありがたいが、誰にだって考えが回らないときはある。たまたまそこが抜けただけだろう。」 不破「そうだろうか。お前が鳴海と同じ視点だったからこそ、気づかなかったのではないのか?そして、予想外に鳴海が吊られ焦った結果が、狐関連の発言の多さだ。少しでも狼から目をそらしたかった。」 天城「俺が狐を気にしていたことが不自然だったというのなら、お前も不自然な点はあるぞ。」 不破「どういうことだ。」 天城「不破は事実しか話さず、嘘がつけない。このゲームが始まったとき、お前を知っている奴なら、そう思っていただろう。だから救われていた部分がいくつもあったことに気づいているか?」 郭 「ああ。初日は下手したら発言機会もなかっただろうね。」 天城「通常なら吊られてもおかしくない。けれど、不破の性格を知っている奴らが多いからこそ助かった状況。だからお前がどんな発言をしても、行動をとっても、疑いを向ける奴はいなかったように思う。」 不破「お前の言ったとおり、俺は事実しか話していない。疑われるようなことは何もないから当然だろう。」 天城「そうだ。お前は発言数が多かったけど、話しているのはその場の状況まとめや解説。事実しか言っていないんだよ。もし俺がお前と一緒に狼に選ばれたら、嘘や駆け引きが苦手だろうお前には正直に行動してもらう。それが一番周りを信頼させ、発言に説得力を持たせるからだ。」 不破「それは村側だったとしても同じことが言えるな。乱暴な考察をしているのはお前も同じだ、天城。」 天城「俺も狼は2人とも潜伏していたのだと思ってる。1人は不破、もう一人は……はっきりしないが状況と消去法で鳴海だろう。」 郭 「でも不破は、最初から鳴海に投票してたし、が鳴海吊りを強行したときにも、その理由をわかってその後の説明者にもなってたよ。」 天城「それが伏線だ。鳴海の矛盾した発言を不破は見逃さないし、フォローもしない。同じ陣営でもまったく切り離した立場にいたなら、その行動も当然のものだろう。」 不破「なるほど、お前も狼は潜伏していたと思うわけだな。そうなると、真占いは若菜か水野のどちらかにいたと。」 天城「そうなるな。」 不破「若菜の占い結果は、藤村、椎名、俺、郭。水野の占い結果は、郭、谷口。若菜が占った藤村、椎名は狼に噛まれ、郭は二人ともに占われている。対して水野は2人のみで、谷口は吊りだ。昨日言ったとおり、狐だった可能性もある。そして占いとしての発言と行動。俺は若菜が真占いの確率が高いと考えている。」 天城「自分を占った奴を真と言いたくなるのは当然だな。だが、それが水野が真ではないと裏付けるものにはならない。」 郭 「……時間的にここまで、かな。俺も言っておきたいことがある。」 不破「ああ。」 天城「そうだな。郭の意見も言ってくれ。」 郭 「実は俺も昨日の時点で狼の当たりはつけてたんだ。」 不破「昨日順位づけを確認したからな。俺への疑いの方が強いことは知っている。」 郭 「いや、あれは正直な意見ではないんだ。」 天城「どういうことだ?」 郭 「可能性は2人ともにあったわけだから、どちらを上にしても良かった。問題はその翌日。」 不破「今日、ということだな。何が問題なんだ?」 郭 「俺が、生き残っているか。」 天城「……それは、つまり。」 郭 「昨日の時点で、俺はもう疑いはかけられていなかったと考えてた。翌日になって、残った相手に加えて俺にまで疑いを向ければ心証が悪くなり、確実に負けるからね。つまり、共有の上原と立場が同じになった。となると、狼は俺と上原のどっちを噛もうとするだろう?」 不破「郭だな。上原は共有といえど、意見を強行したり、俺たちを納得させるような言葉は持っていなかった。それは、説明次第でどの状況にも流されやすいということだ。たとえば何かの疑いを持っていたとしてもそれを覆しやすい。それに対し郭は我が強いからな。納得させ意見を変えるというのは難しいだろう。」 郭 「我が強いって……まあいいけど。そう、今俺は生き残ってる。ということは、俺は狼にとって有益な立場にいたか……考えたくないけど、上原よりも制しやすいと思われたかだね。」 不破「なるほど。昨日の順位づけでは、郭は天城寄りで答えていた。」 天城「その考えは安易すぎないか?上原は共有だが、郭は確定までではなかった。翌日何が起こるかわからないからこそ、つけいる隙を残しておくためにお前を残した可能性だってある。」 郭 「不破は初日の行動の鈍さ、その後の打ってかわった状況を動かすような大胆な発言。だけど、説明や解説はわかりやすかったし納得もできた。 天城は狐に対する発言の多さ、結果として、狩人と狐の存在で混乱し皆が慎重になった。だけど、俺と意見が近いことが多かった。だから、最後の日に向けた判断材料だったんだよ。」 不破「俺たち二人ともを疑っていて、そのうえで罠を張ったということか。」 郭 「順位づけを提案したのは天城だ。それに上原は不破寄りだった。だから、天城寄りの意見をだした。あとは最終日に俺が生き残って、不破にミスや矛盾が無ければ、答えはおのずと決まる。」 天城「それで良いのか?お前が生き残ったのは偶然かもしれない。もしくはお前がそう動くと考え、わざと残したのかもしれない。」 郭 「そうだったなら、村の皆には悪いけど、完全に俺の負けって認めるしかないね。」 天城「そうか……。意見は固そうだな。」 不破「安心しろ郭。お前の考えが正解だ。」 GM「話し合いそこまで。投票をはじめてください。」 郭 → 天城 不破 → 天城 天城 → 不破 天城(2)、不破(1) GM「ゲーム終了。勝者は……」 TOP NEXT |