汝は人狼なりや?  

― 恋愛シリーズ番外編 ―


【5日目朝】
GM「死体は発見されませんでした。話し合いをスタートしてください。」

(噛)吉田、椎名、桜庭
(吊)
真田、水野、鳴海

上原「あれ?俺、生きてる!」

「よかったなあっくん!言っただろ俺、諦めたらそこで試合終了だって!」

上原「安西先生……!」

郭 「そこの共有。」

「ごめんなさい。」

上原「ごめんなさい。」

井上「死体が無かったちゅーことは、狩人の防衛成功か!?」

天城「狐噛みもありえるよな。」

谷口「え、どっちなんだ?」

不破「防衛成功だとすれば、狼はよほど焦っていると見える。」

若菜「なんで?」

藤村「昨日の状況なら、狩人はを守りにいくのが定石や。狩人が残ってるかもしれない可能性もあるのに、を噛みにいって防衛されたってことになるからな。」

「うーん。狼もそこまで単純か?確かに俺は厄介だから、早く潰したかっただろうけど?」

井上「自分で言うなっちゅーねん。」

不破「そう考えると、やはり狐噛みか?」

郭 「鳴海が狼だったとしたら、残された狼が焦って行動して失敗した、ってのも考えられるけど。」

谷口「それそれ!なんで昨日いきなり吊りが鳴海になったんだ?皆、何かわかってたのか?」

「ああ、それは……と、その前に結人、占い結果は?」

若菜「あー、OK。英士が白で。」

郭 「結人、またテンション低いね。」

若菜「だって呪殺出来なかったしー……。これで俺、ローラーされちゃうんだろ?」

「そうだなー。俺としては残しておきたい気持ちもあるんだけど。」

藤村「こればっかりはしゃーないな。」

不破「しかし、これで郭は白である可能性が一気にあがったな。」

井上「へ?なんでや?」

天城「……なるほど。郭は若菜と水野、占い二人から白をもらったことになる。」

上原「あ、本当だ!でも、占いが二人とも偽だってことも……」

「疑う要素が少なくなったのは確かだな。真占いが初日犠牲者、かつ偽の組み合わせの中に狼がいて、それが今残ってる結人であること。これらが揃うことが英士が人外である条件だ。」

不破「若菜が狐であれば、他人を白確定させて助けるような真似はしない。それに、今日の死体なしが狐噛みだとすれば、狼は今日吊られるだろう占いを噛みにいったってことになる。それはあまりに不自然だ。」

谷口「でもそれって、若菜が狼だったら、思いっきり危なくねえ?」

藤村「せやなあ。けど、その可能性も昨日が話したとおりや。真占いはおると思うで。」

若菜「え?もしかして、俺生き残れる流れ?」

「それはゴメンネ。」

若菜「ええ?!ちょっと期待したのに!!」

郭 「あくまで確率論。ひとつ間違って全滅なんて、洒落にならないからね。」

天城「ああ、定石どおり動いてくれるのか。安心した。」

上原「だな。若菜が人外の可能性も無くなったわけじゃないもんな。」

「そうだ、一応、昨日鳴海を吊った理由も話しておくな。」

井上「せやせや!俺も訳わからず吊られるのは勘忍やで!」

「一言で言うと、あやしいからってだけなんだけど。」

天城「それだけか?それはあまりにも……」

「まーまー、俺もそこまで横暴じゃないって。最初の投票日になんで椎名と鳴海に票が入ったのかって話になったよな?そのとき、大地が椎名と鳴海はほぼ同じ行動をとってたから、同じく疑われる対象だって言ってた。」

若菜「そういえばそんなこともあったな。」

「実際は、投票が集まった理由はそれだけじゃなかったんだよ。引っかかったのは鳴海の言動。」

谷口「言動?」

「大地に対して『矛盾があれば一気に突いてきそうで厄介』って言ったんだよ。」

藤村「矛盾を起こすとすれば嘘をついている人外。村側からすれば、それを明確にする奴がいるなら万々歳や。厄介やなくて心強い存在になると思うで。」

若菜「うわあああ、そんなとこまで細かく聞いてんのかよお前らー!こええええ!」

不破「郭は初日に鳴海へ投票していなかったが、昨日は鳴海を怪しんでいたようだな。後から気づいたのか?」

郭 「いや、初日はまだ様子を見たかっただけ。言葉のアヤって線もあるしね。だけど、その後も狂人に見えてたを何度もかばう発言があった。自分に白を出されたってだけじゃ明らかに理由が弱い。」

「俺は狂人のように振る舞って、あっくんにはあえてそんな俺を残すよう頼んでた。いくら共有でも、たいした理由もなく怪しい奴を残し続ければいずれ村は崩壊する。それに乗っかる奴と、正そうとする奴がいるかを見てた。だから逆の理由で、結人の白が無くても英士が村側の可能性は高いと思ってたぜ。」

天城「乗ったのが鳴海、正したのが郭、ということだな。」

「そういうこと。だから鳴海は何かしらの人外の可能性が高いと思ってた。吊る理由としてはアリだろ?」

若菜「ならもっと早く言ってくれよもー!俺、鳴海を占ったら黒か呪殺か出来てたかもじゃん!!」

天城「それはお前が真占いと確定してたら出来る話だろ。先に伝えたら偽の場合だって黒を出す。」

若菜「うおおおお!こんなとこで吊られたくねええええ!!」

上原「若菜、お前の気持ちわかるよ!わかるけど!」

若菜「そうだろあっくん!!」

上原「いつの間にお前までその呼び方になってんの!?」

藤村「けど、郭を占ったのは良い仕事やったかもしれへんな。ほぼ白確になったし。どっちつかずで残しといたら厄介な奴に間違いはなかったで。」

郭 「それって褒められてるの?」

藤村「当然やで兄さん!」

若菜「じゃあそんな良い仕事した俺を残し……」

「結人……運命は変えられないんだ……!」

若菜「……!」

「お前の遺志は俺が引き継ぐ!だから安心して眠ってくれ!!」

若菜「ああ……後は……後は、任せたぜ!絶対に勝てよ!」

「もちろんだ!お前の犠牲を無駄にはしない!!」

若菜「……!ーーーーー!!」

郭 「もういいよ。締めて。」


GM「話し合いそこまで。投票をはじめてください。」


 → 若菜
若菜 → 井上
郭  → 若菜
上原 → 若菜
谷口 → 若菜
不破 → 若菜
天城 → 若菜
藤村 → 若菜
井上 → 若菜

若菜(8)、井上(1)


GM「投票の結果、今夜の処刑は若菜。これより5日目の夜に入ります。」



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