幸せの理由





2012.02.19 〜 2012.10.27
全18話





『幸せの理由』をお読みいただきありがとうございます。

武蔵森4人目の連載はまさかの根岸でした。
万が一、原作より前にこのお話を読んで、その後漫画を読んだら「根岸、根岸・・・あれ?根岸どこ?」となってもおかしくない登場頻度な彼です。
このお話を考えたとき、一番最初に浮かんだキャラが根岸でした。
原作での出番が極端に少ないので、私の想像が強くはなってしまいましたが、彼は普通で純粋でまっすぐだったらいいなあと。

普通に毎日を楽しく過ごして、彼女が出来れば嬉しくて周りに自慢して、うざがられながらも惚気は止まらない。
周りからはやかましいと冷たくされますが、好きな人を好きと堂々と言えるというのも、なかなか難しいと思うんですよね。
それぞれの性格にもよりますが、やっぱり男の子でも女の子でも、好きと言ってもらえるのは嬉しい。自分のことで幸せそうにしてくれているのは嬉しい。
そんな根岸を見てきたからこそ、ヒロインは彼をずっと突き放さず、むしろ好意を持って彼の傍にいました。
ヒロインはヒロインでクールな印象になった気がしますが、彼女は根岸のテンションに乗っかるタイプではないのと、人の聞き手にまわることが多いだけで、この子も割と普通の子です。
根岸の前の彼女の話を多く聞き、最初から彼の幸せを前提にしていたために、自分よりも彼がどう思うかを優先して動くことが多かったと思います。

終盤、根岸はヒロインを傷つけてしまい、前の彼女との間で揺れていますが、これも彼のまっすぐな性格ゆえなんだと思います。
やっぱり好きになった相手はいつまでも特別なのだと思うのです。嫌いになって別れたのでなければ尚更。
それが恋愛でなくなっても、悲しんでれば気になるし、元気になってほしいと思う。そう思うことが悪いことだとは思いません。

その思いや違いにヒロインが離れていってから気づく、というのもなんとも格好悪いですが、そんな普通な彼と、少しずつ変わっていく感情に戸惑いながら、それでも誰かの幸せを願える女の子。そんな二人のお話を書き終えることが出来てよかったです。

ちなみに作中でヒロインと根岸が植えた花にも、意味があったりしました。(本人たちは意識してません)
ヒロインが植えたビオラの花言葉は「誠実な愛、私のことを思ってください」
根岸が植えたブルーデイジーは「かわいいあなた、無邪気」、バコパは「小さな強さ、愛らしい」となります。
花言葉は多少は知っていたものの、調べてみたら、可愛いものから、切なくなったり怖くなったりするものまで、いろんな意味や深さがあって素敵でした。





それでは、この辺で。
ここまでお読みいただきありがとうございました!




2012.10.27 春名友





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