友達協定





2013.04.13 〜 2013.12.07
全17話





友達協定をお読みいただき、ありがとうございます。
『友達』から始まった二人の関係、いかがだったでしょうか?

このお話は、実際に学生時代に起きた友達の出来事を少しだけ含めています。
仲が良く、まわりから見れば明らかに両思いだろうというくらいに一緒にいる男女がいたのですが、
男の子側はそれこそ男友達と同じ扱いでまったくその気がなく、逆に女の子側は彼が好きという状況でした。
そして、男の子側が人づてに女の子の気持ちを聞いてしまい、距離を置いてしまうという切ない展開へ。
だいぶ後にそのことを聞いたら、気持ちに応えられないのに期待だけさせて一緒にいるなんてひどいと思ったから、という答えでした。
当時は、女の子本人が直接告白したわけでもないのに、急にそっけなくして距離を置くなんてひどいなあ、なんて思っていたのですが、
彼なりにもいろいろ考えていたんですよね。

今回のお話も根本はそれに近いです。
けれど、英士の場合はすでに女の子というものにうんざりしていたため、始まりから意識しない関係を望みました。
友達でしかない。それ以外にならないと決まっていれば、妙な意識はしないで済むし、純粋に相手を信じられる。
高校生にして、恋愛が面倒くさいものと認識してしまっていたんですね。

だからこそ、ヒロインが英士に気持ちを伝えたとき、裏切られたと感じてしまった。
外見も恋愛感情も関係なく、傍にいられるものだと思っていたから。裏を返せば、それだけヒロインが大きな存在となっていました。
だから、一度はヒロインを拒絶し、冷たい態度と言葉で突き放してしまいました。
けれど、英士にとってそれだけ大きな存在になったということは、軽く忘れることも出来ないし、違和感もなくならない。
嫌になったとか、嫌いになって突き放したわけじゃないからこそ、姿を探してしまう。

その時、彼に恋愛感情は無く、友情からの行動だったとしても、ヒロインはそれを受け入れました。
好きな相手に、これからも友達でいてほしいと言われても、嬉しくはないと思うのですが、ヒロインにとってはそれよりも大きく、
いつも冷静な英士が自分のことで、迷い、悩んでくれたことが、本当に嬉しかった。
それだけで充分だと思えた。それくらいに、友達としての英士も大きな存在でした。

今後の二人がどうなるかは、はっきりと書いていませんが、期待の持てる終わり方となっていればいいなと思います。
今回のお話で入れられなかったエピソードも残っているので、機会があれば番外編も書いてみたいです。
そのときはまたお付き合いいただけると嬉しく思います。



それではこの辺で。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。





2013.12.07 春名友



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