俺はさ、あまりにも人生うまくいってたから ぶっちゃけた話、自分が世界の中心だって思ってたりもしてた。 自分革命 「やっぱりさー、うちの学年で一番なのは若菜くんだよね〜!」 授業が終わった学校。 俺は携帯を忘れたことに気づいて、自分の教室へと戻った。 すると教室では、クラスの女子がなにやら盛り上がりを見せていた。 教室に着くと同時に自分の名前が出たのには驚いたけど どうやら、学校のいい男の話で盛り上がっているようだ。 「学年っていうか、学校一でしょ!!」 「だ〜よ〜ね〜」 『だ〜よ〜ね〜!!』 俺も心の中で同意してみた。 うん。彼女たちは正解!この学校に俺以上の男はいないだろ!!(爽) 今、学校一って言った奴!(名前忘れた) 今度俺から挨拶してやろー! 「ねえねえ、もそう思うでしょ?」 って誰だか知らねえけど、そう思うだろ? 「・・・そう?」 ・・・は?? 「えー!そうだよ〜!!」 「いや、私は興味ないっていうか、そんなに格好いいかなぁ?若菜くんって?」 ・・・はぁ?! 「ええー。格好いいって!見る目なーい!!」 全くだ!! 俺みたいに優しくて、ノリが良くて、運動神経よくて、格好いい男なんていないっつの!! 「見る目なくていいよ別に。だって格好よく見えないもん。私には。」 追い打ちかよ!! この女・・・。百戦錬磨と言われている、若菜 結人様の力を見せてやる!! 次の日、俺は奴を見つける。 そう、俺の魅力に気づいていない女、 。 絶っ対俺の魅力に気づかせてやる!!そして捨ててやる!ポイッとしてやる!! 「さん!おはよう!」 俺は満面の笑みで挨拶をする。 すると、が少し驚いた顔をする。 まぁ、同じクラスとは言え、俺ら話したことなんてほとんどないし。つか記憶にないし。 「うん。おはよう。」 ・・・普通だ。 これが他の女だったら、 『きゃー!!若菜くんに話しかけられちゃったぁーーー!!』 ・・・なのに!! 「今日って数学課題あったじゃん?やってきた??」 「うん。まあね。」 「マジ?!俺、やってくるの忘れちゃってさぁ!さん見せてくんないかな!!」 「別にいいよ。」 「おっしゃ!後で写させてもらいにいきまっす!!」 「あはは。了解です。」 ・・・普通すぎる。 これが他の女だったら、 『きゃー!若菜くんにノート見せてって言われたぁーーーー!!』 ・・・なのに!! 休み時間。 俺はの席へ向かう。 もちろんノートを見せてもらうため。このために宿題もやってこなかったんだし! いや、別にやるのが面倒くさかったわけじゃないぞ?!この作戦のためだ! 「さーん。」 「例の数学!写させてもらっていい?!」 「あ、うん。いいよ。」 俺はの前の席に座り、 の机でノートを写し始める。 「さ・・・いや、ノート見せてもらった仲だし、でいい?」 「うん。別にかまわないけど。」 「ありがと!俺も結人でいいから!」 うおっしゃ! ここまで自然に名前呼びにするなんて、さすが俺!! ついでに俺のこと「結人」って呼ぶなんて、他の女子が泣いて喜ぶことだぞ!!ありがたく思え!! 「、すっげーノートきれいだなー?見やすい!!」 「ははっ。ありがと。」 「何でこんなにきれいにノート書けんの?」 「つーか、ほめすぎだから。普通だよ。別に。」 「そん・・・「あー!!!!」」 ・・・きた。うるさい女どもだ。 「何で若菜くんと二人で話してんのー?!ずるーい!!」 「ずるいって・・・。数学のノート見せてただけだよ。」 「えー。若菜くんも言ってくれれば、あたしのノート貸してあげたのにぃ〜。」 「はは。じゃあまた今度借りるな!!」 いらねーっつの!! 騒がれるのは悪い気はしねーけど、タイミングってもんを読めよな。お前ら。 俺は作戦実行中なんだ!邪魔すんじゃねー! 帰り道。 今回は偶然だけど、の姿を見つける。 じゃあ予想外だけど、作戦開始ってことで! 「〜!」 「若菜くん。」 「だーかーらー!結人でいいって!!今、帰り??」 「うん。わ・・結人も?」 「そう!けどこれから俺、クラブチーム行くんだ!」 「ああ、サッカーの?」 「そうそう!よく知ってんじゃん。」 なんだ。だって俺のこと興味持ってたんじゃん! もしかして、昨日のは照れ隠しか?! 「うん。が言ってた。」 って、友達情報かよ!! あーあ。期待して損した。・・・期待?? 「俺、この世代じゃ結構名が知れてんだぜー?」 「そうなんだ。結人はどこのポジション?」 「MFだけど・・・ってサッカー詳しいのか?」 「いや、詳しいってほどじゃないけど、お兄ちゃんがやってたから。 少しだけならわかるよ。」 「そうなんだ! いや、MFも大変でさ。守ったり攻めたりしねきゃいけねーし。 FWの奴はナイーブなヘタレだし、 同じポジションでも、絶対零度の笑みする奴がいてこえーし。」 「あはは。友達?」 「うん。だけど、あいつらがいれば何だってできると思うんだ。」 って、何を語ってんだ俺は! 超恥ずかしいんだけど!今時こんなスポコン・友情の話なんか語ってたら バカにされんだろ!つーか、こんな話してたって知ったら、 一馬は照れて、英士は笑うんだろーなー。 俺はおそるおそるを見る。 そこには予想外の表情があった。 「いいな。うらやましい。そんな親友がいて。」 が笑っている。 その笑顔は限りなく優しくて、今までの軽い笑みとは全然違う表情をしていた。 俺は不覚にも、その表情を見て固まってしまった。 「・・・結人?」 「あ、あ、あの。俺こっちだから!じゃーな!!」 「うん。また明日ね。」 ・・・あー、びっくりした。 って俺が話しかけても動じねーし、たいして表情変わらない奴だと思ってた。 だからだよな。急なことでびっくりしてんだよな。 俺の心臓の鼓動が、こんなにも速いのは。 BACK NEXT
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