『えええ、俺もうナレーターの自信ねえよ・・・!』
『頑張れ若菜。黒川はもう力尽きてる。そして俺はめんどくさい。つまりお前しかいない。』
『えええ!』
『でもこのページ短いから大丈夫だろ。』
『こう考えるとナレーター3人で正解だったかもな・・・。』





森から城へ戻る道中、白雪姫一行はいろいろな話をして親交を深めます。
東の国の話、西の国の話、森の奥の話。外の世界を知らなかった白雪姫には興味深いことばかりです。





「そういえば三上、アンタは戻ってもいいよ?」

「ああ?」

「ああ、確かに足手まとい。」

「会ったばかりのお前を守ってやるほど僕らはお人よしじゃないよ。」

「誰か足手まといだコラ!お前らに守ってもらう必要なんてねえっつの!」

「三上今のアンタは、小さいくせに強気で意地っ張りなんていう萌え要素を持ってると思う。それは確かにすごく可愛い。
だけどここから先は戦場よ!小さい子がいていい場所じゃないわ!」

「じゃあ椎名も戻った方がいいんじゃない?」

「喧嘩売ってる?確実に売ってるよね、いいよ?城に着く前に決着つけようか郭。」

「戦力落ちるでしょうが!お父様を倒してからにして!」





もうすっかり意気投合です。
けれど心優しい白雪姫は弱々しく小さな小人のことが心配で仕方ありません。





「あーうるせえな。小さくなきゃいいんだろ?」

「え?」

「結構疲れんだよな、これ。」





そう言うと小人は意識を集中させるように目をつぶりました。
それから少しすると、なんと彼の体がみるみる大きくなっていきます。





「・・・!」

「驚いたか?俺たちはそういう種族なんだよ。」

「・・・王子その1!その2!」

「その呼び方止めろよ、僕には翼って名前が・・・」

「どっちがその1?俺だよね?!」

「なんでもいいからそこの哀れな元小人に服を貸してあげなさい!」

「「え・・・?」」

何言って・・・ってギャー!!さっきまで普通の服だったじゃねえか!!こんなん聞いてねえぞ!!」





ぶはっ・・・!服破けまくってる・・・!





『うん、そりゃ小人が大人になれば服も入らなくなるよな。』
『なんでこのファンタジーでそこだけリアルなんだよ。』







「変態。」

「変態。」

「くそっ・・・お前らに言われたくねえよ!」

「・・・とりあえずこれで戦力低下は心配ないわね。」





そしてついに城が見えてきました。
父親と娘の骨肉争いはもう目の前に迫っていました。





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