眠ったままの白雪姫を前に、小人も王妃も途方にくれていました。





「ああ、どうしましょう・・・！ここは僕・・・私が目覚めさせるべきですよね〜。」

「・・・いやいやいや、王妃には無理だろう。」

「だって私の責任ですからね〜。」

「何かいい手があるかもしれないからとりあえず考えよう、つーかお前大人しくしてろ。」





『須釜が王子役まで乗っ取ろうとしてるぞ！』
『なんとか話の流れを保とうとする三上がすごく常識人に見えるな・・・。』





「どうかした？」





そんな悲しむ二人の前に優しく声がかかりました。
二人が振り向くとそこには豪華な服に身を包んだ一人の男性がおりました。





「ふふ、なにもないです「白雪姫が毒リンゴを食べて倒れちまったんだよ。」」





『俺・・・三上のこと誤解してた！アイツすごいいい奴じゃん！常識人じゃん！』
『今回は軌道修正しなくても三上が頑張ってくれそうだな。』





「白雪姫・・・？！僕が会いに来たのも白雪姫だよ。」

「そうなんですか？どうも、私は白雪姫の母です〜。」

「・・・よ、よろしく。」





『椎名、軽くひいてるな。』
『近くで見たらすごかったんだろうな、須釜の王妃役。』





「僕の国に書状が届いてね。そちらの王の傍若無人ぶりには耐えられないのでなんとかしてくれって。
そして王に溺愛されすぎて捕らえられているも同然の白雪姫を助けてやってくれとも書いてあった。」

「それなら私も一緒に助けてくれませんかね〜。」

「王妃のことは一言も書いてない。」





なんとその男性はここから西にある国の王子でした。
この国の王の悪政に耐えかねた国民が西の国に助けを求めたのです。
しかし王の娘である白雪姫は優しい人なので助けてほしいと。
西の国はその優しさに心打たれ、まずは自国の王子を派遣したのでした。





「だけどいきなりこんな状況で会うなんてね・・・。」

「本当に・・・どうしてこんなところまで来てしまったんでしょうね〜」

「お前のせいだお前の。」





小人は事の経緯をかいつまんで王子に説明します。
王妃が白雪姫を憎み森の奥まで追いつめたこと、その原因は傍若無人な王にあること、
そして王妃と白雪姫が和解したところで、白雪姫が誤ってリンゴを口にしてしまったこと。



『実際は思わず食べちゃった☆だけどな！』
『そこは言えねえよな。』





「・・・彼女は何をしても目を覚まさないわけ？」

「ああ、ゆすってもひっぱたいても起きねえ。」

「じゃあ私が心臓マッサージでもしま「どうっしても起きねえ！」」

「・・・そう。国民にあんなにも慕われている姫・・・ぜひ話してみたかった。」





白い肌、赤い唇。本当に彼女は眠っているだけのようです。
王子は悲しみながら、けれど慈しむように彼女の頬に手をそえました。





「悲しき運命の姫、せめて来世で貴方に祝福がありますように。」








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