「白雪姫だって!俺、ガキの頃に学芸会かなんかでやったかも。」

「ガキの頃って、俺らもまだ充分ガキだけどな。」

「ナレーターか。よかった面倒そうな役じゃなくて。」

「俺も何やらされるのかと思った。」

「俺は嫌だ!俺こそ王子の役にピッタリじゃね?!役どころか劇にも登場しねえとかめっちゃ地味!
大体3人もナレーターいらねえじゃんよー!!」

「じゃ、若菜一人でナレーターよろしく。俺はお前の勇姿を見ててやるよ。」

「ああ、それでいいなら頼んだ。」

「ちょっと待てー!俺にそんな朗読能力があると思ってんのか!!」

「お前ならできるよ。頑張れ。」

「ちょ、お前適当すぎるだろ?!これしくじったら監督に何されるかわかんねえんだからな!
お前ならわかるだろ?!黒川!!」

「・・・あー・・・そこは否定できないかも。」

「ほら見ろ!ということで俺を一人にしないでください!」

「お願いかよ。どんだけ監督怖がってんだ。」







演目:白雪姫
ナレーター:若菜結人、黒川柾輝、設楽兵助







「じゃあ適当に台本の章かページ毎にローテーションでいくか。最初は誰からいく?」

「俺は一番最後で。その方がまわってくる回数少なさそう。」

「・・・なあ黒川。」

「何だ?」

「この漢字、何て読むんだ?フリガナくらいふっといてくれたらいいのにな。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・俺からいくか。」

「それがいいと思う。」

「え?!なんで?!お前らこれ読めんの?!ていうかその蔑む目やめてくれる?!」







カーン、カーン、カーン・・・







「あ、合図きた。もうすぐはじまるな。」

「よし、トップバッターがんばれよ!」

「了解。」










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