「さて、皆集まったかしら?」

「揃ってまーすって、監督、なんか都選抜の奴らだけじゃなくいっぱいいますけど・・・何するんですか?」

「あ、試合っすよね?!」

「ふふ、残念。今回はサッカーじゃないのよ。」

「「「え?」」」





東京都選抜メンバーを中心として、他選抜、はたまた選抜メンバーでないものまでが一堂に会する。





「人というものはお互い助け合って生きているわ。」

「え?は、はあ・・・」

「一人で何でもしているように見えて、誰かに支えられているということは忘れてはいけないのよ。」

「か、監督・・・?」

「ということで、常日頃からお世話になっている皆さんに感謝の気持ちを形にしようと思うの。」

「あの、話が見えませんが・・・」





教壇に立った東京都選抜監督、西園寺玲は唖然とするメンバーを見渡してニコリと笑った。





「次に集まったときが本番よ。それぞれの役の子は台詞を覚えてくるように。
そうね・・・覚えられなくても、皆さんを楽しませることができるのならアドリブもOKよ。」

「役・・・?!アドリブ・・・?!」

「さあ、貴方たちの本気を見せてちょうだい。」










心底楽しそうに笑う彼女を見て、東京都選抜メンバーは悟った。もう何を言っても逆らえるわけがないと。
他のメンバーも悟った。本能で。この人に逆らってはいけない、と。



誰からも反論がないことを確認すると、彼女は1冊の本を掲げる。






演目:白雪姫






「「「白雪姫?!」」」







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