「それじゃあ出かけてくるから。アンタたちはすべての仕事を片付けておくのよ!」
「お、王子さまに会うのが、た、楽しみだわー」
「私はここに残っちゃダメですかね〜?」
「うおい!ダメに決まってるでしょお母様!」
「いや、でもこのメンバーと一緒にいるのも限界っていうか・・・」
「内藤・・・じゃなかった妹!お母様をお連れするわよ!」
「え?え?」
「つべこべ考えず、運べ!コイツが暴走しだしたら誰にも止めらんねえぞ!」
「口調が戻ってますよ〜?」
「さあ、行きますわよお母様!」
『鳴海っ・・・!お前、お前はなんていい奴なんだ・・・!』
『今まで登場している中で、一番台本に沿った演技をしているな。』
『俺、お前からかうの控えるよ。3日くらい。』
ひどい・・・違った、ごつい・・・あれ?ああ、残念な3人は、シンデレラたちにたくさんの仕事を押し付け、
お城で行われる舞踏会へと向かっていきました。
『迷った割に正解してねえよ!』
『そこは・・・楽しそうな、と台本に書いてあるな。しかし横山の話したことが事実だろう。』
『不破も何気にひどいよね?!』
「どれだけ仕事押し付けていくんだよ、あいつらは!」
「どうやっても舞踏会に行かせない気ね・・・!」
「まあ行かなくてもいいけどね。」
「・・・ああ、舞踏会行ってみたいなあ。どんな世界か見てみたいわー。」
『がだんだん仕事しだした!』
『急にどうしたんだ?』
『たぶん椎名がどんどん話の方向を変えようとしだしたから、危機感持ったんじゃね?』
『ふむ。他人の行動を見て、自分を見返したということだな。』
『だったら最初から暴走するなっていうね。』
資産家の家だったとはいえ、お城での舞踏会なんて滅多にありません。
シンデレラもサンドリヨンも行ってみたい気持ちに駆られましたが、頼まれた仕事は山積み。
それらをほって出かければ、後でどんなことをされるかわかりません。
そもそも彼女たちは舞踏会に着ていけるようなドレスすらないのです。
「ねえ、サンドリヨン。何かいい方法はないかな?」
「うん、ないね。」
「即答?!」
「行かなくていいならそれにこしたことはないね。」
「つば・・・サンドリヨーン!しっかり仕事してえ!」
すっかりと諦め、気落ちしているサンドリヨンを見て、シンデレラは何か方法はないかと一層考えます。
そして思い立ちます。ねずみに相談してみよう、と。
「ねずみ?!」
「何でねずみだよ?!」
シンデレラとサンドリヨンは、仕事ばかりの生活で友達など作ることができませんでした。
そんな中で彼女たちは喋れるねずみという不思議な生き物に出会っていたのでした。
『台本に載っていないぞ。これも変更があったのか?』
『たちも驚いてるから違うだろ?!どうした横山?!好き勝手やってるあいつらに仕返し?!』
「そ、そうね!それじゃあねずみさんたちに会いに行きましょう!」
「・・・わかったよ。」
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