「まあ当然、拭くよね。」

「お約束だね。」





商人からもらったランプは金色がキラキラと輝いていましたが、
年代物のようで、少し古びてほこりをかぶっていました。シンデレラはそれを優しく丁寧に掃除しました。





「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・おかしいな。」

「・・・。」

「魔人は?!」

「何も起こらないね。」





『とりあえず魔人が出てくる前提で話してるのがおかしいと思う。』

『この話はシンデレラだったのではないのか?』





「ここは空気読んで魔人が出てくるんじゃないの?!」

「空気読めない奴らが多いからね。
まあそんなものに頼らなくても、僕がお前を幸せにし」





とあー!!
シンデレラがランプを丁寧に、綺麗に掃除したおかげか、
ランプは受け取ったときより輝きをまし、妖しげな雰囲気さえ感じられます!



『なんだ、今の奇声は。』

『椎名の暴走を止めたかったんだろ。』

『なぜ奇声なんだ?』

『若菜だから。』





「んー、それじゃあ棚に飾っておこうか?」

「飾るのはダメだよ。ごつい義姉たちに盗られる。」

「そっか。じゃあ名残惜しいけど、棚の中に入れておくかー。」





シンデレラはランプを慎重にケースに入れて、棚の奥にしまいました。
暗闇の中で揺れる金色のランプが、商人の言うとおりに少女たちに幸せを運んでくれるのか。
それはまだ誰にもわかりません。





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