「願いが叶うとかはともかく、幸せを願って、飾っておこうよ。」
「・・・どうも僕には胡散臭く思えて仕方ないんだよね。大丈夫?それ、盗聴器とか入ってない?」
「どこまで人を疑うのサンドリヨン!私たちは純情で優しさ溢れてるところが売りなはずよ!」
『売り言うな。』
『もはや当初の設定はどこかへ行ってしまっているな。』
少女たちは商人からもらったランプを、ケースに入れて大切に飾っておくことにしました。
そのランプは年代物のようで、少し古びてはいますが、キラキラとして綺麗でした。
「ていうかさ。こんなもの飾っておいたら、がめついあいつらに取られるんじゃない?」
「・・・確かに!」
「勿体無いけどしまっておこう。もしくはそれを売って二人でこの家を出よう。」
『・・・椎名、これから出る予定の奴らを出さない気だな。』
『そんなことができるのか?』
『椎名なら出来るかもな。あいつ頭いいし。
よっぽどドレス着たくないんだろうなー。だが・・・』
『なんだ?』
『そこまで嫌がられると、逆に無理にでも着せたくなってくる。わかってるな、若菜!』
結局俺任せかよ?!俺に話の転換なんて高度な技術を求めるな!
「うーん、商人さんの大切なものだったんだし、しまっておこうよ。」
「チッ・・・」
さ、さすが・・・じゃなかったシンデレラ。
そうだよ・・・ですよ!大切なものを売って逃げ出そうだなんて考えちゃいけません!ほんとに!
『さすがにが止めたか。』
『無理なナレーターなどやめて、事実を伝えた方がいいぞ若菜。』
「でも、このままだと錆びちゃうかもしれないから、
ほこりは拭いて水気のないように・・・ちゃんと保管しておこう。いざというときのためにも。」
「そうだね。いざというときが早く来ればいいね。」
シンデレラがランプを丁寧に、綺麗に掃除すると、
ランプは受け取ったときより輝きをまし、妖しげな雰囲気さえ感じられます。
シンデレラはそれを慎重にケースに入れて棚の奥にしまいました。
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