最後の夏に見上げた空は


―― ちょこっと裏話 ――



私はお話を始める上で、ちょっとした設定メモくらいしか作らないことが多いです。(だから計画性がないとの噂)
けれど『最後の夏〜』は登場人物が多かったために、最初の人物設定など
結構多くのメモが残されていました。基本的に設定が大きく変わった人はいませんが、せっかくなので、ここに少し残しておこうかと。





■D組
まずはD組のクラスメイトですが・・・
風祭、水野、藤代、小島、郭、若菜、真田、鳴海、友達、ヒロイン の10人でしたが

最初の設定ではここに、笠井、黒川、シゲがいました。
特にシゲは『遺伝子強化兵ではないが、留年の為に遺伝子強化兵と同じクラスにいる』という設定でした。
けれど設定的にも話的にも無理があった為に断念。彼にはサッカー部のライバルとして登場してもらうこととなりました。

■サッカー部
次にサッカー部。この部も最初の設定では存在していませんでした。
けれど、人物の設定ではサッカー好きがほとんどで、彼らの話を作るのにサッカー部はかかせない存在でした。
そして翼さんによって、サッカー部設立となったわけです。そしてここで、先ほどクラスメイトから外れた二人が関わってきます。
さらに言えば明駱高校との試合もサッカー部が出来た時点で考えました。
シゲを桜塚高校の3年生として設定し直さなかったのはこの試合の為です。


ちなみにサッカー部メンバーは次の通りでした。

2年
風祭、水野、藤代、小島、黒川、笠井、天城、桜庭、上原

3年
椎名、渋沢

1年
桜井(マネージャー)

監督は言わずと知れた玲さんですね。



■設定の変わったキャラ

・ヒロイン
実は彼女の基本性格は無気力キャラでした。
他人に踏み込まない。他人を信用しない。淡白な態度。
そういうところを少しは書いたのですが、お話が進むに連れて他人の心配ばかりする
正反対の性格になっていきました。ここまで綺麗な性格にさせるつもりはなかったんですよね。
『死』が迫っているのに、彼女は優しすぎ、綺麗すぎた気もします。
自分の『死』の時を知らされた彼女でしたが、他の遺伝子強化兵のように昔から言われ続けてきたわけではなく
それを実感する体調の変化があったわけでもない。彼女が優しくいられた理由の一つです。
そしてもう一つは、彼女が初めて感じた他人の温かさを知ることができた、という点です。
初めての友達や、初めて人を愛して。初めて他人を大切にすることを彼女は知りました。
だからこそ、優しく、綺麗でいられたんだと思っています。そんなヒロインでお話を書くことができてよかったと思います。



・郭 英士
彼は・・・本当に可哀想な設定になってしまいました。
最初の設定の彼は、全てを諦め冷めていて、ヒロインによって生きる気力を取り戻す・・・という流れを考えていました。
けれど、話を進めていくうちに英士はどんどん政府を憎むキャラとなり、復讐までも考えるように。
それでもそれがいい方向、悪い方向かは別として、人間らしい彼となった気がします。
遺伝子強化兵の子供たちは、昔から自分の運命をしっていたせいか、
自分の運命を諦めている傾向にありました。(実感できなかったとも言えますが)
けれど、英士のような行動に出る子がいてもおかしくはない。その役目を英士にしてもらうこととなりました。



・不破 大地
彼もつらい設定ですね・・・。彼は基本設定は変わっていません。
誘拐され、力を抑えられずに育った遺伝子強化兵。
一つ、大きく違うことは彼は実験によって"感情"はなくとも遺伝子強化兵の力を使えるはずだった・・・というところです。
尾花沢は不破の力を使い、桜塚高校に攻め入り、遺伝子強化兵を一網打尽にする・・・という設定だったのです。
それがあのような設定に変わったのかは、もう私にもわからないですね。
書きながら話が変わっていくというのは、私にはよくあったりすることだったりします。



・松下 左右十
彼は研究者ではなく、実は桜塚高校の教師でした。
功先生がしていた役割も、実はいくつか松下さんの役割だったりしました。
ああ、だから功先生の出番が多かったんですね!



■原作を知る方にはちょっとわかる(かもしれない)キャラ設定

原作未読の方にはネタバレなので反転します。↓

以前、ご指摘をいただいたこともあるのですが・・・原作『最後の夏に見上げた空は』の設定のみではなく
話自体を参考にしたお話、キャラがいます。

前ページのあとがきにも書いたように、私、この小説を1度しか読んでいない状態で書いていましたので
ええー。全然違うでしょ?とか思っても軽く流してくださいね。



若菜 結人 → 仙石 太一(一巻、第二話:絆のかたち)
キャラとお話・・・でしょうか。若菜は元々、太一くんに似たタイプだったのかもしれませんが。

不破 大地 → 高山 華乃(三巻、第二話:春と少女と終わりと始まり)
これはお話ですね。上記に書いた学校に攻め入るお話。そして研究対象となり、モルモットとされたところ。・・・悲しいですね。

風祭 功 → 桂木先生
キャラですね。生徒を愛し、生徒もまた信頼できる先生でした。

ヒロインは小谷、三上さんは名門さん。
これはキャラ・・・というよりは関係ですね。設定は根本から違っていますし。



素晴らしい原作を書いてくださった住本 優さま。
本当にありがとうございました!


と、まあちょっとした裏話でした。
そっちのお話の方がよかったー!とかのご意見はご遠慮お願いしますね!
ああ、そうだったんだー!という驚き(?)やご感想であれば大歓迎でございます。



それでは今度こそこれにて。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!





2007年03月25日 春名 友







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