「今年も1年お疲れさまでしたー!!」

「お疲れ。」

「おう。」

「はー。」

「「「・・・。」」」

「一馬くん、そこのうざったいの放り出してくれる?」

「え?俺!?」

「ここ、一馬の家だし。部屋の主の一馬に権限があるのは当然だね。」

「・・・。」

「たくっ、今年も1年頑張ったなってお互いの苦労を労い、称えあうってところに、そんな景気悪い顔でため息なんてつかれちゃあテンションも下がるってもんよ!」

はテンションあがりすぎだよね。」

「だ、だ、だって英士と年越しだぜ?テンションもあがるに決まって・・・」

「気色悪い。」

「一馬!英士がひどい!」

「・・・。」



「お前ら相変わらずだな・・・。もそんなにテンションあげてたら年越し前に眠くなるぞ。」

「いやー、なんかテンションあがるよね。男だらけの年越しパーティーって。」

「何で男だらけでテンションあがるの。下がるんじゃなくて?」

「なんていうかこう、切なさを通り越してハイになった気分みたいな?」

「全然ダメじゃねえかよ。」

「なあなあなあお前ら、どうしてそこまで落ち込んでる俺を無視して話を進められるの?俺の話聞いてくれないの?」

「聞かない。」

「聞けない。」

「聞きたくない!!」

「お前ら打ち合わせでもしたの!?」



「ちょっと俺らの阿吽の呼吸ぶりを披露しただけだよなー?」

「俺は俺の意見を言っただけだよ?」

「・・・まあ年末だし?」

「年末だから何だ!!」

「つーか結人の話って予想できるっていうか、聞きたくないっていうか、単純っていうか、聞きたくないからさー。」

「どんだけ聞きたくないの!?」

「どうせ彼女と年越しできないーとか、そのときこそ絶好のタイミングだと思ってたのにー、とかだろ?」

「な、なぜそれを!!」

「なぜもなにもねえよ。お決まりのパターンじゃねえかよ。」

「う、う、うおおおう!寂しいよー!!ー!!」

「よしよし結人。俺もちょっと華がないなと思ってた。ということで、華を作ろう。

「は?」

「・・・またバカなこと考えてるでしょ。」

「よし、出番よリンゴちゃん!」

「・・・はあああ!?」

「やっぱり。」



※リンゴちゃん…恋愛シリーズに以前登場した一馬の女装姿時の名前



*****





「・・・なあ、なんで?なんでお前、俺の姉ちゃんと面識あんの?服借りてんの?いつ会った?いつ話した?」

「一馬、お姉さんのサイズ着れるかなー?着れちゃったら腹立つから思う存分可愛くしてやってってお姉さんに言われてるんだよなー。」

「いや、ちょっと待て。落ち着け?なんでこんなことになってんだよ!?」

「華がないから。」

「寂しいから。」

「面白いから。」

「デジャヴ!?うわああああ!!!」





*****





「と、いうわけで男だらけの年越しパーティーにめでたくリンゴちゃんが加わりましたー!拍手!」

「おー!」

「・・・。」

「よし結人、リンゴちゃん隣に置いてやるから元気だせよ。写真撮るよーほら、ハイチーズ!」

「あ、ちょっと一馬、お前も笑えよー!俺も彼女のことはひとまず忘れて楽しむからさ!」

「この状況で笑えるか!何が悲しくて年末までこんな格好・・・」

「泣くな一馬!嫌なことはこの年末で全て清算して、新たな気持ちで新年迎えようぜ!」

「今まさに嫌なこと作られたんですけど!!」

「だからー、それをそのまま今年のうちに捨てると。」

「自給自足だね。」

「英士うまい!!」

「うまくねえよ!果てしなく必要ない自給自足だよ!!」





*****





「そういや、英士も一馬も彼女作らねえの?」

「そうそう、俺みたいにな!」

「別に今急いで作ろうとも思ってないし、必要性も感じてないから。」

「俺も・・・英士と、一緒、かな・・・」

「お前らそんなこと言ってると、いつの間にかモテ期過ぎちゃうぞ!」

「・・・え?無視?俺のこと無視?」

こそどうなの?」

「俺?俺には英士がい・・・」

「は?」

「すいませんその目やめてくれますかちょうこわい。」

「つまり、いらないってこと?」

「俺、皆と遊んでるほうがいいや!」

「結局皆同じか・・・」

「でもさー」

「?」

「先のことはどうなるかわっかんないけどね。
好きで好きでたまらなくって、どうしても傍にいたいって思う子が現れるかもしれないじゃん?」

「・・・それは、どうだろうね。」

「想像もつかねえな。」

「そのわかんないところもまた、醍醐味ってもんよ!」

「よし、わからないところがあったらこの結人くんに相談し・・・」

「あ、もうすぐ12時じゃん!年越し年越し!」

「お前ら俺を泣かせて楽しいか!?」

「バカお前!今日一番泣きたいのは一馬だろうが!!」

「はっ!!ご、ごめん・・・!!」

「お前らいい加減にしろよ・・・!?俺、もうこの服脱・・・」

「あと10秒!!」






「4!」

「3」

「に、2・・・!」

「いーち!!」







「「明けましておめでとーう!!」」

「おめでとう。」

「お、おめでと。・・・って、ちょっと待て!この服新年前には脱ぐって話・・・」

「あー・・・去年の恥が今年の恥に・・・」

「あと1年、捨てられない恥が出来たね。」

「一馬・・・!俺、そんな一馬でも好きだかんな!!」

「誰のせいだーーー!!」



「・・・っ・・・はっ・・・」

「・・・は?」

「っ・・・」

「は、ははっ、あはははは!!」

「お、お前ら全員で笑ってんじゃ・・・」

「新年になっても変わらないなー!」

「そんな劇的に変わるわけないでしょ。年が変わったくらいで。」

「はは!確かに!!」

「な、なんだよお前ら・・・」

「やっぱりお前らといれば今年も退屈しないんだろうな!」

「あったりまえじゃん!な、一馬!!」

「・・・まあ、退屈は、ないかも、だけど・・・」

「うん!そんなわけで今年も俺らにいじられる役な!」

「嫌に決まってんだろ!!」

「なっ!そこは胸を叩いて俺に任せろ!だろ!」

「なんだそのいらない男らしさ!!」

「結人!一馬が反乱を起こした!ただちに同じ土俵に立ち、説得を開始せよ!」

「ラジャー!!・・・って、同じ土俵?」





「あ、女物の服がもうひとつある。」

「そう、それ!!」

「お前、まっ・・・まさか・・・!!」

「英士隊員!一馬女史!!結人を拘束せよ!!」

「はあ、相変わらずバカなこと考えるね。」

「誰が女史だよ!!」

「とか言いながら従うのやめろおおおお!!!いやああああ!!」









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新年から相変わらずのテンションの彼らです。
恋愛シリーズもただの短編だった頃から始まり、随分と長く続いているお話です。
彼らがバカやってる姿が好きと言ってくださる方が多いので、今年もそんな彼らが突っ走っていきます。
時々シリアスも入るかもしれませんが、温かく見守ってくだされば幸いです。

登場キャラ、未登場キャラも、リクエストがありましたら、お気軽にどうぞ。
なるべく書かせていただくことを考えつつ、参考にさせていただいております。

それでは今年もサイトともどもよろしくお願い致します。

2011.01.01 春名 友

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