高飛車少女、直情少女







「へーい、ゆっきー!今日も可愛いね!」

「誰がゆっきーよ。何の用?」

「友達が遊びに来ちゃいけないっていうの?!違うクラスだからって冷たくしないでよ!」

「今、部活のメニュー作ってるの。邪魔しないでね。」

「なにその冷たい笑顔!もっとして!」

「アンタのテンション疲れるわー。」





*****





「今日も勝負しに来てあげましたわよ!小島有希!」

「・・・さらに面倒なのが来た・・・。」

「あー!上條さんだー!どうもどうも、いつも有希がお世話しているそうで。」

「そうよ、いつもお世話されて・・・って何言ってますのー?!逆!逆ですわ!!」

「そっかー。」

「さあ、今日こそ桜上水のアイドルをはっきりさせようじゃない!」

「アンタいつも私に負けてんじゃん。」

「キー!!言ってはならないことを!」





*****





「ねえねえ上條さん。」

「何かしら?」

「勝負なんてしなくたって、上條さんは十分可愛いじゃーん。」

「・・・ええ?!」

「私はその顔すっごい好きー。スタイルもいいしね。」

「・・・あ、あ、当たり前でしょう?!私は何をしても完璧なの!
本当は一番に褒め称えられ、敬われるべきなのに、この子が・・・!」

「私、別に何もしてないんですけど。」

「あああ!その余裕の態度に腹が立つのよー!!」

「上條さんの魅力がわからない奴らなんてほっておけばいいじゃない。」

「・・・私の魅力は皆が知るべきなのよ!・・・で、でも、まあ、一理ありますわね。
貴方、なかなか見る目があるじゃない。どこのクラスだったかしら?」

「C組のでーす!って呼んでね!」

「そう。私は上條麻衣子。特別にお友達にしてあげてもよろしくてよ?」

「やったー!!よろしくね、マイマイ!!」

「マイマイ?!またアンタは妙なあだ名を・・・」

「・・・ふーん。悪くない呼び名ね。」

「嘘お?!」





*****





「・・・それで、なぜ貴方は違うクラスのこの場所にいるの?」

「こちらの有希ちゃんと友達だから!」

「・・・お友達はしっかりと選んだ方がいいわよ?」

「アンタに言われたくない。」

「けれど、仮の友達の有希さんよりも・・・」

「仮をつけるな、仮を。」

「私の方がいいと思うのは正しい感性ね。」

「え?違うよ?」

「は?」

「マイマイは美人だし好きな顔だけど、有希はもっと私好み!顔も性格も!」

「・・・はい?」

「桜上水のアイドルがどうとかはともかく、有希ちゃんはすごく可愛いと思います!」

「そういう発言を堂々としないでくれる?」

「きゃー!有希ちゃん怖い!可愛い!」

「な・・・な・・・な、なんですってえええ!!私の心を弄んでいたのね?!」

「遊んでないよ!本心だよ!」

「もういいわ!もう、もう、貴方なんて・・・絶交よーーーー!!!」





*****





「お友達になって数分で絶交されてしまった・・・!」

「アンタが遊ぶからでしょ。」

「だから遊んでないって。すごい可愛いと思うよ?
仲良くなればいろんなところがわかって、もっと好きになると思うのになあ。」

「・・・アンタが女でよかったわ。男だったら末恐ろしい。」

「えー!何もーう!やきもち〜?!大丈夫だって、私は有希がいちば・・・がはっ」

「さーて、バカはほっておいて、メニュー作成しなくっちゃ!」









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