落ちてきた天使
― 藤代編 ―
『サッカーに愛された男、藤代くん!彼ならいける気がするよね!』
『・・・どうかな。』
『だって明るいし、ノリもいいし、無邪気だし!私の任務にも快く協力してくれそうじゃない?』
『じゃあ試してみようか?』
『イエス!行ってみよう!アクション!』
*****
【第1話 ヒロインとの出会いより】
「きゃああああああああああーーーーーーー!!!」
「うわあ!何?!何だあ?!」
「ぷはー!死ぬかと思った!!」
「なっ・・・!何何?!誰?!何コレ!!」
「私の名前は。職業は『天使見習』してまっす!」
「マジでー?!何何、どういうこと?!」
『どうですか英士。素晴らしい反応です。君も見習ってください。』
『ただバカなだけでしょ。いきなり自分が天使だなんて言われたら、痛い奴としか思わないし。
あと、絶対見習わないから。』
【第2話以降 ヒロインの任務協力】
「赤い糸が現れた人間には、天使が一人ついてその恋を助けてあげるんだ!」
「ふーん。赤い糸とかはよくわからないけどさ!いいよ!協力しても!」
「本当?!ありがとう誠二!」
「おう!任せて!!」
『どうですか英士。素晴らしい反応です。君も見習ってください。』
『同じ台詞は2回もいらない。どうしても俺にうんって言わせたいの?』
『うん。』
『あはは、いい度胸してるね。エセ天使。』
『嘘です。何でもないです。では続きを!』
『・・・。』
「へえ!任務対象って風祭とみゆきちゃんか!」
「そうなんだけど・・・誠二私に紹介・・・」
「おーい風祭ー!お前好きな奴いるー?!」
「?!」
「え?いないの?!いやちょっと聞いてみたくなっただけ!
いい奴紹介してやろうか?!」
「ちょっ・・・ちょちょっ・・・!誠二!!」
「そういやみゆきちゃんなんてどう?!可愛いし、気が利くし!な!」
「誠二誠二!彼困ってる!直球すぎだから!」
「ええー。だってこんなのまわりくどいことしたって仕方ないじゃん。」
『・・・。』
『雲行きが怪しくなってきたね。』
『い、いや!任務としてはアリだよね!藤代くんが協力してくれる気満々なのがわかります!』
『へえ・・・。』
「風祭!みゆきちゃん!もうお前らくっついちゃえ!」
「ええー?!ちょっと誠二ー!!」
「何てったって赤い糸が・・・っていやいや。とにかくお前らお似合いだからさ!」
「何その強引なくっつけ方ー!!」
「だって赤い糸つながってるんだろ?じゃあとりあえずくっつけちゃえばいいじゃん!な?!」
「ちょっ・・・ちょっと待・・・!落ち着こう、まずは落ち着こう。いい、誠二。物事には順序ってものが・・・!」
*****
『・・・。』
『・・・。』
『気づいた?』
『な、何をかしら?』
『藤代相手だと、の暴走キャラが全く目立たないんだよね。』
『な・・・なんですってえーーー?!』
『アイツも自分の道をひたすら突っ走る奴だから。キャラかぶってるんだよね。』
『そこは盲点でした・・・!それはいかんね!私のキャラが目立たないのはいかんよね!』
『いや、むしろ今が目立ちすぎだから。もう少し大人しくした方がいいと思うよ。』
『何を言うの英士!私はまだまだ頑張るわ!』
『・・・。(どうやって食い止めようか、このアホ天使)』
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